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2006年7月25日 (火曜日)

参りました完敗です温泉・渋の湯・別府その4

いきなりものすごい雨が降り出したのに、傘がない。
とりあえず乗ったタクシーの初老の運転手は、土砂降りの中、傘を売ってる店を求め、途中でメーターを倒してまで探し回ってくれた。
 
旅先でこれは嬉しい。これは効く。
カモメタクシーさん、ありがとう。ご恩は忘れません。
 
そして……
 
 
渋の湯
 
●ナトリウム-塩化物泉
●6時半~21時 無休
●無料(というか、観光客は100円必要なコインロッカーを使用するのがルール)
●別府市鉄輪風呂本1組 電話なし
 

060723_120401
鉄輪温泉街の中の『いで湯坂』をくだり、有名な『鉄輪蒸し湯』の手前という場所。
 
「ここは組合員専用です」と貼り紙がある無人の小さな共同浴場だが、観光客でもコインロッカーに100円玉を投じることによって入っていい事になっている。
組合員というのは近所の人たちってことかな?
入ると名前が書かれた木札があり、自分が入る時はその木札を脱衣場の棚に差し込む、という仕組みになっている。
 
心優しいタクシー運転手さんに導かれてやってきた、この渋の湯。
100円玉を握りしめて女湯の戸を開けると、先客が一人だけいて、既に出て行くところだった。
 
「お邪魔します」と挨拶すると、彼女は踵を返し、「今はお湯のバルブも水のバルブも止めてますから、お好きにどうぞ」と言い、わざわざ湯殿まで戻ってやり方を説明してくれた。
(ここも、脱衣場・浴室一体型で、段差無し)
 
「ここに水とお湯のカランがあるの。ここのお湯はアレだから夏は上がり湯をかけた方がいいわよ。お湯の方ははじめぬるいけどいきなり熱くなるから気をつけて」と、優しく丁寧に指導もくださった。
共同浴場で水のカランはどこにもあるけど、お湯が出るのは珍しいかな。
 
とても物腰の上品な、ステキなご婦人だった。その前の日に挨拶させてもらった俺の中野(う…どうもすみません…)の母上もこんな感じだったなぁ。
 
たった一人で、土砂降りの音を聞きながら、入浴。
熱い。かなり熱い。源泉90℃に近いものを竹製の冷却システム(詳細は不明)でやや温度を冷まして浴槽に注いでいるらしい。
が、入れない熱さではない。44℃くらいかな。肌にすーーっと馴染んでくる。
舐めてみると、ややしょっぱい。
そして、硫酸塩泉の石膏臭をさらに甘くしたようないい香がした。
 
素晴らしいお湯を独り占めする満足感と、ふと行き会った人々からもらった親切が心に沁みて、しみじみと幸せ~。あぁ、もう、参りました。泣けました。
 
塩の湯なので、夏場は後で肌が負ける事もあろうかと、くだんのご婦人が仰った通りに上がり湯をしてあがった。
 
風呂と一体の脱衣場には扇風機はなし。
その代わり、「渋の湯用」と書かれたウチワがいくつか(笑)
ここは、本当に近所の人々の『うちのお風呂』なんだなぁ。
そこに入らせていただくのだから、ひたすら丁寧にキレイに使わなきゃ。
 
入り口に温泉道のスタンプがあり、観光客は必ずアンケートに答えてください、と貼り紙がある。ボールペンを繰っているうちに火照ってまた汗が吹き出してきたが、サラサラした気持ちのいい汗だ。
 
外に出ると、『いで湯坂』は豪雨が流れ下って、まるで小川のよう。
足元は悪かったが、気分はとても爽快。
 
 
温泉名:鉄輪温泉  入湯日:2006.7.23

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コメント

おはようございます。
大分への旅 お疲れさまでございました・・
「俺の中野」のご母堂に会われたのですね。
何となくそっくりなんじゃないかと想像してみる。
それにしても、九州方面でのゲームにキツいコトが多いですね。「俺の中野」。

投稿: puucha | 2006年7月25日 (火曜日) 07時24分

>puuchaさん
 
頂いたたらこキューピー、ボストンバッグにぶらさげて行ってきました~。
 
お母様はとてもほんわかと上品な感じの方でした。笑顔がそっくり。
そして、大量の差し入れ。重量だけでも相当だろうに労を惜しまないところも息子さんとそっくり、でした(感謝)

投稿: アイアン | 2006年7月25日 (火曜日) 10時46分

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