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2006年8月 1日 (火曜日)

路地裏は天国につながっている・紙屋温泉・別府10

知らない町の路地裏をさまよっていると、このままどこにも辿り着かなくていいのだ、という気分にさせられる。
 
住んでいる人たちの息づかいに包まれているような気配を感じながら、あてもなく歩き続け、初対面のネコタンに挨拶し、心の底までいっぱいに深呼吸する楽しさ。
 
あぁ、1人旅っていいねぇ。
 
 
紙屋温泉
 
●炭酸水素塩泉
●100円 タオル等備品無し
●13~23時 無休
●別府市千代町8‐2  ℡.0977-24-3028
 

Kamiya
別府駅前通りからすぐ、西法寺通りに入ってしばらく歩くと、住宅地っぽくなってくる。
児童館や図書館を過ぎたあたりに、紙屋温泉はある。
 
通りから細い路地に少し入るのだが、ちょうど角地が更地になってるせいか、建物前は広々してる感じ。
 
建物の正面には、飲泉所や足湯がコンパクトに設置され、由来書きの看板なんかもある。
Kamiya2
 
受付で料金を払うと、狭い棚のみの脱衣場へ。
もちろん浴室と一体型だ。が、ここの浴室は半地下ではない。
 
既に入浴中のおばさま方に見守られ、「こんにちは、お風呂ちょうだいします」なんか言いながら服を脱ぐ。
湯桶がないなーと思ってキョロキョロしてたら、脱衣場の隅の机の下に重ねてあるのを、一人のおばちゃまが教えてくれた。
 
8畳程度?の浴室の真ん中に、5~6人程度の四角い浴槽があり、みんなその周りで上手に体や髪を洗っている。
その手際の良さはさすがジモティ。
 
ここは、けっこう湯温がぬるかった。
湯口付近から入って、「そこ、お湯が出てくるから熱いよ」と言われたけど、全然イケます。
ここは、他所より温くないですか?と聞いたら、「あぁ、確かにそうかも」という返事だった。
 
というわけで、推定42℃適温入浴。
 
浴室の隅に、木のフタをした枡状の場所があり、飲泉用のヒシャクがある。
フタを取ってみると、ホワッとタマゴ臭がした。
すくって飲んでみると、甘いようなおいしい“白湯”って感じ。
鉄分をやや含んだお湯で、床面などやや赤茶けてる部分もあるのに、鉄の味は感じられなかったなぁ。
 
地元のおばちゃまたちとお喋りしつつ気持ちよく長風呂してると、湯あたりしかねないので、頃合いを見てあがる。
といっても、お喋りはそのまま続く(笑)
やっぱり、サッカー観戦のために新潟くんだりから一人でやって来て、しかも温泉マニアって、珍しがられる( ´_ゝ`)
 
そこに、杖をついたお年寄りと、若い娘さんがやってきた。
どうやら、入浴介護のようだ。
狭い脱衣場だけど、みんながさりげに手を出して、お年寄りが服を脱ぐのを手伝う。
その間、若い人は、短パンTシャツ姿で、介護用の浴用椅子などを準備している。
手慣れた、見事な連携プレーだね。
 
脱衣場から浴室は、ほんの一段の段差だけ。これも体の不自由なお年寄りに優しい。
体にやさしい炭酸水素塩泉に充分癒されてくださいな。
 
 
首にタオルをひっかけたまま、外に出ると、さらに路地を奥に進む。
ここは、別府の観光協会主催の路地裏ウォークのルートでもあるらしい。
実に路地裏らしい路地裏が縦横につながっている。
 
洗い桶とお風呂セットを持ったおじいちゃんと行き会い、互いに会釈をする。
 
路地裏育ちの私にとっては、まるで胎内回帰でもしたような幸福な気分に浸れる紙屋温泉界隈であった。
 
 
温泉名:別府温泉  入湯日:2006.7.22
 
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