感謝感激雨あられ・谷の湯・別府25
すじ湯でヘロヘロになってフラフラ歩いていると、ほんの1、2分ほどの場所に共同湯「熱の湯」を発見してしまった。路地よりちょい高台になっていて、公民館ふうの建物。その前にはちょっとした公園が出来ている。
が、前に行ってみると、運悪く、3月中旬まで営業中止の貼り紙があった。
朝っぱらから濃いめの湯に入ってホエホエしてたので、しばし公園のベンチで水を飲む。
新潟人ならトレーナー1枚で充分外を歩ける暖かさの別府ではあるが、朝の9時すぎはまだ風がヒヤッとする。これがなんとも気持ちいい。
谷の湯
●塩化物泉 (別府八湯温泉本の区分による)
●80円
●6時半~22時
●別府市鉄輪北中1組8
熱の湯の公園でしばしボ~ッとしてから、細い路地をテキトーに歩き出す。
鉄輪は山の中腹にあるってロケーションなので、網の目のような路地を登ったり下ったり、草津みたい。
方向としてはR500九州横断道路のほうに向かって歩いてる。またまた路地の両側には大小の「かしま」旅館が並んでる。
立ち寄り入浴を受け入れていて、温泉道にも加盟してる旅館がいくつかあるが、たいていは昼からの受け入れなので、残念ながらスルー。
そして、あちこちうろついたすえ、偶然にも「谷の湯」と遭遇。
路地から歩いてくると平屋のごく普通の民家にしか見えないのだが、高低差のある土地に建っていて、階段を1階分降りたところが共同湯になっているのだ。
道に面した部屋が受付として開け放たれていて、コタツに入った女将さん?に料金を渡す。
なんたって80円だよ、ムハーー! 100円玉でお釣りがきちゃうのだ。
(洗髪する人はプラス20円なんだとか)
けっこう急な石段を降りて、中に入ると、ジモ専好きや鄙び系好きなら歓喜の涙にむせんでしまうビューティホーな光景が目に飛び込んでくる。
す・ば・ら・し・い!
コンクリート打ちっ放しの簡素というか殺風景な佇まい。窓枠の上部は素通しなのだが(これはたいていの別府の浴室がそうなっている)、ここに限っては“カベに穴が開いとる”という印象。突き詰めて言うと、廃墟? どう見ても廃墟。
(わ~谷の湯関係者さま、すみませんホントすみませんっ)
しかし、「汚い」という事は全くないので、念のため。
それで言ったら、人気があっていつも混んでいる日帰り入浴施設のほうが、どんなにか汚れてるんだよね…。悲しいけど。
どうやら、男湯は深閑として無人の様子。
女湯と男湯を隔ててるのは、この波板(!)
そして、向こう側には不動明王さま?が鎮座ましましているらしい。
精一杯背伸びして、腕を伸ばして、男湯を●撮してみた(殴)
さて、お湯はキュッとくるいい熱さ。
トロリンッと肌にまとわるような柔らかさ、そして、ウマ塩味。
鉄輪の極上のお湯だ。
ここに毎日入れる人がいるなんて、幸せだなぁ。
でも、地元の人々は当たり前すぎて幸福だなんて思わないのかも。
してみれば、こうして旅の途中で行き合って、湯浴みして、その素晴らしさにとろける思いの出来る私もまた、幸せ者なのかもしれない。
(お約束の、お湯の中から撮影)
多分、大昔、地獄と呼ばれたこの地は生き物を寄せ付けなくて、そこにやって来た人間はたくさんの知恵や犠牲を費やしながら、この地獄からたっぷりの恵みを受けるに至ったんだろう。
そういう事を忘れちゃいけないよ、と、不動明王さま?は言ってるような気がする。
あぁ、有り難や有り難や。
浴槽から上がって、火照りを冷ましては、立ち去りがたく、また浸かり…
そんな未練たらたらになりながら、ようやく外に出て、階段を登ろうと思ったら足がグダグダになっていた。
谷の湯。ここは大好きだ。
別府中心部でいうと春日温泉がピカイチに好きだけど、ここは今のところ鉄輪№1だ!
鉄輪は至る所に泉源があって、源泉井戸からシューシューモクモクと白い蒸気が噴き出している。(クリックすると多分デカくなります)
↑は大旅館風月HAMMONDの裏側。パイプにこびりついた成分がすげーー。メンテナンスの苦労が忍ばれる。
しかし、建物の裏側というのは何とも殺伐として、興味をそそられる。
右端の建物は、写真以上に見た感じ廃屋そのものなのだが、のぞき込むと、どうも浴槽がありそうな感じ。天井に水面のきらめきのようなものが反射してたのだ。
う~ん、鉄輪。もっともっと探検したいぞ。
(←別府・24 別府・26→)
温泉名:鉄輪温泉 入湯日:2007.3.4
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