ディスカバー Niigata・水と土の芸術祭3
金沢でいったら兼六園とか、鳥取でいったら鳥取砂丘とか、わかりやすくパッケージされた観光ポイントっつーものが新潟市にはあまりないけれど、ウットリするような美しい風景やフシギな眺めはふんだんにある。
これって、額縁に納まった名画を鑑賞するか、野外インスタレーションを味わうか、という違いに似てる。
そういう意味でも、この新潟市や越後妻有の大地とモダンアートの融合って、実はすごく自然なことなのかも(←ムリヤリ)。
これは、“俺たちのホーム、セイゴロー”の傍らに広がる鳥屋野潟の景色。
前回、水と土の芸術祭(みずっち)左回りバスツアー(レポはこちら)に参加したが、今度は東区・江南区を中心とした右回りツアー内回り篇。
(右回りツアーには北区・秋葉区中心のいわば外回り篇もある)
ドアタマは東区・旧栗ノ木排水機場のマーリア・ヴィルカッラ「INTERVALS」。
ここには磯辺行久「栗木排水機場は近代農業の原点となった」という作品…というかプレゼンがあるのだけど、これは写真で見ちゃうとそれまでなので、画像なし。
みずっちは、新潟の人と土地と水との闘いの歴史をベースにしている芸術祭でもあるので、こういうポイントで展開されるアートが多い。
次の行程の中央区・山二ツ米倉庫の栗林隆「Zwischen Raum」や江南区祖父興野米倉庫の小原典子「ミズタマリ‐Niigata」は、昔の米倉庫を利用した作品。どちらもミステリアスで面白い。
我らがセイゴロー=ビッグスワンの近くにも作品が幾つか。
その中のひとつ、石山和弘「彼方の水位線」は、海抜0m以下である新潟市という土地を表している。ここは、ごくたまに散歩に来る場所だけど、改めて鳥屋野潟公園って素晴らしいところだなと思っちゃった。他には丹治嘉彦+橋本学「CIRCULATION」、松宮喜代勝「とやの潟の呼吸」。
そして、みずっちパラダイスと題して行われた中学生のワークショップで作られた作品。
多くは展示期間終了と共に撤去されたけど、この「清五郎八人衆」という藁アート群は特に評判が高く、今でも残されている。
ホント、これは必見なので、ホームゲームの時にでも散策して探してちょ。
右回りバスツアーのお楽しみの一つが、2年前に移転した中央卸売市場での昼食!
何軒もある飲食店のうち、中央食堂で刺身定食800円也をいただく。刺身の量と切り身のデカさがハンパねえぇぇ!
食後は今回の芸術祭の事務局もある江南区亀田みずっちたんくへ。
ここは亀田の住宅地の中にある使われなくなった浄水場だ。
大地の芸術祭から派生した日比野克彦「明後日朝顔 NIIGATA 2009」や、亀田の各家庭から寄付してもらったお茶碗や湯呑みを金継ぎという技法でくっつけた岸本真之「つぎつぎきんつぎ」という作品がある。
そして、みずっちのシンボルとでもいえる作品、遠藤利克「Trieb-氾濫」。
浄水場の貯水プールからあろうことか溢れだし氾濫する水。
これ、水道局関係者にとっては悪夢としか言いようがない作品なんだそうだ。
勢いよくコンクリ壁をしたたり落ちる水。暑い日には“マイナスイオンいただき~(≧∀≦)”ってな感じの気持ちよさなのだが、雨の日はそのインパクトが薄れるので、鑑賞する時は天気と相談したほうが良さげ。(水が出てる時間は決まっているのでみずっちHPを参照しましょう)
このみずっちたんく事務局ではさまざまなワークショップも行われていて、この日もボランティアさんたちが牛乳パックでハスの花を作ってた。
バスはこの後、江南区阿賀野川左岸を走って、ステイシー・レビー「RIVERINE」を車窓見学。これは迫力あったなぁ。改めてゆっくり眺めたい。
阿賀野川堤防を行き、秋葉区新津石油の里公園で笠原由起子「アースブック 立体図鑑 物語は続く。‐Plants‐」を。
作品もさることながら、古来からの石油掘削現場などが見れて、アブラ臭温泉好きにとってはたまらない観光スポットである(笑)
この後、南区アグリパークの3作品を車窓見学。これは左回りツアーの時、じっくり見たもんねー。
そこから一路、西蒲区に行くのだが、黒埼の旧市街を通り、中之口川沿いを行くコースは懐かしさと海抜ゼロの厳しさ両方を味わえる。
そして着いたのが、旧巻町の上堰潟公園。初めて行ったのだが、その風景の美しさにはただ茫然とするばかり!
こんに時に限って車内にケイタイを忘れてしまったのだけど、なまじ写メのピンボケ画像など晒すより、とにかく現場に行って!と誰彼と勧めたくなる景色だった。
そこに展開される土屋公雄APT「海抜ゼロ」は、面白くも恐い体験型アート。これはぜひ! 上堰潟公園駐車場から歩いて4、5分。
他に、みずっち作品ではないけれど藁アートの巨大なマンモスや恐竜、藁のぐるぐるハウスがあって楽しい!
バスツアー最後は、西区・新川‐西川立体交差のジャン‐リュック・ヴィルムート「The River Paradox」。
新潟市内の平野に3ヶ所ある川と川の立体交差地点。前回のツアーで2ヶ所見たけど、今回の新川‐西川がいちばんわかりやすくなっている。
川(新川)にかかる赤い橋…とみえるけど、実はこれが西川。
新川は治水・排水のための人口河川で、西川は農業用水として使われる自然河川。これを合流させることなく交差させるアイデアを思いついちゃうとこがスゴイ。
しかも江戸時代にやっちゃってるし。
肝心の「アート作品」は、ぜひ現場で!
むりくりに橋を通らされてる西川だけど、この地点を抜けると、ほら、このように 細いながら元気な流れになって新潟平野を潤してます。よかったよかった(^_^;)
というわけで、右回りツアー内回り篇は終了。
新潟市に生まれ育ったとはいえ広い域内なかなか隅々まで行くことはないので、生粋の新潟っ子にとっては新潟再発見の旅になる、このみずっちバスツアー。
金・土・日・月曜に運行されるので、“新潟には観光スポットがない”とお嘆きのアウェイサポさんたちも、試合の前後日にぜひぜひ! みずっちガイドブック・マップがついて1400円。充実の1日が過ごせますよ~。
※土屋公雄APT「海抜ゼロ」、その後再訪したところ、中に水が入って先まで行けなかった~。これは先まで行かないと体感できないので、要ゴム長(^_^;) &、どうやら恒久作品になりそうです。
《さらに追記》
・そうそう、このツアーの途中、新川沿いで、朱鷺を見たわけです。どビックリ(゚д゚)
・ちなみに、この日の刺身定食の刺身内訳は、ブリ・甘海老・カツオ・サンマ・まぐろの切り落とし・ホタテでした。男性の方は「ご飯大盛りで!」が必須。
レポ1・2・4・5・6・7・8・9
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント