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2009年9月 5日 (土曜日)

みずっち攻略法教えます(後)・水と土の芸術祭2

090905_102201ここのところサッカーとも温泉とも遠く離れているけど、みずっち左回りバスツアー前篇から続く。
 
←これはツアーバスに乗る時に渡されるみずっち(=水と土の芸術祭)マップとガイドブック。
小さな水色のはパスポート。これで全ての有料作品を見れる。
もう始まっているので今買うと当日料金2500円だが、大地の芸術祭パスポを提示すると前売り料金2000円で買える。
ただし、この相互特典で買えるのは新潟市美術館やふるさと村、新潟駅前インフォセンターなど場所が限られているのでご注意。
 
ツアーに1回参加するだけで、パスポートのスタンプラリーをする気はないって人なら、当日のみ使えるワンデイパスポート1000円はいかがでしょ?
 

 
Fukui5_2昼食の後は、西蒲区旧巻町の福井地区へ。
じょんのび館や越後ビールがある集落だ。昔は北国街道沿いってことで栄えた町だそうだ。
そこに家を借り住み込んで作品を作り上げたのが、アイルランドの作家クイビーン・オフラハラFifteen Degrees South」。
どこがどうFifteen Degrees Southなのかさっぱりわからないけれど、集落の神社の脇に作り上げられた藁と布の家にはフシギな包容力がある。
私はこれFukui4_2 を見た途端ウィスキーの蒸留タンクを思い浮かべたんだけど、これFukui あたりは東南アジアの空気もあり。
Fukui2_2取り付けられた白い布はボランティアや地元の人がシーツをビリビリ破いて結びつけたもの。重さ100kg。雨が降るとそれが300kgになるんだって。
それでも持ちこたえる堅固な建物自体は地元のベテランの大工さんが、作家の描いたラフだけを基に作っては直し、作っては直し…を繰り返したそうだ。
この作品は芸術祭が開催してもなかなか完成されなかったんだけど、ウワサによると、オフラハラさんが福井集落をめちゃくちゃ気に入って離れたくないので、時間をかけたのだとか…? 越後ビールも堪能した?
そんなオフラハラさんも昨日、集落で大々的な送別会を開いてもらい、帰国の途についたらしいっす。
 
 
Yagawa  Yagawa2
西蒲区西区には、“川と川とが立体交差する”地点が3ヶ所あるのだが、そのうちの1つが、池田一WATERPOLIS~水見台団地・水抜き通り」。
農業用水として利用されている矢川と、治水(水抜き)のため人工的に海に突き抜けていく大通川が立体交差する地点。地元の128人が「泥をすくう手」と「水をすくう手」として写真に参加している。
今回はオマケで、アート作品はないけれど、大通川と西川の立体交差地点も見学。
 
広々とした新潟平野。ただ、平たい土地に安穏と田んぼを作ってコメを作っているのではない。そこには、水との果てしなき戦いがあってこそという、この川の立体交差はそんなたゆまぬ先人の歴史も垣間見えて、敬虔な心持ちにさえなってしまう。

 
Tukigata2  Tukigata9 Tukigata8_2  Tukigata4
水との闘いといえば、南区旧月潟村は内陸部なのに海抜0メートル地帯。少し川が氾濫しただけで家も田んぼもおじゃんになるという苛酷な歴史を生きてきた土地だ。そんな戦いの相手であった水と土にまつわる芸術祭には、当初、抵抗感があったとか。
今は無き新潟交通電鉄線の月潟駅は、鉄道マニアの人々の手によって大事に保守されていて、カボチャ電車もキレイに残っている。
Tukigata3ここにある作品は、木村健世EARTH ON AIR」。
周波数89.2のFM放送を月潟駅界隈で流している。私たちはホームに置かれたラジオを持ち、イヤホンで月潟ならではの音のあれこれを聞きながら、ホームに出て電車を愛でたり、レールを歩いたり、中之口川の景色を眺めたり、月潟町商店街をそぞろ歩いたりして時間を過ごすのだ。
私はこの新潟電鉄、大好きだったなぁ。電車に乗ってると、川面がすごく近くてね。まるで川で舟に乗ってる気分になったのだ。 でも、“川面が近い”と感じたのは、川の水位より町のほうが低いからなのね( ̄Д ̄;;
 
 
南区では他にアグリパーク空土(からっと)泥花プロジェクト」、大久保英治地の石」、そして、インドネシアの作家ダダン・クリスタントSound of Harvest」。
Fuusya
ホントは、車窓から眺めるだけのはずだったけど、前篇でも書いた通り、ツアー参加者がたったの5人と少なく、サクサク行程が進んだので、特別にバスから降りての鑑賞。
クリスタントさんのインドネシアン風車の作品は、新津バイパス沿いにもあるよ。
 
 
Kituそしてこの日最後の作品は、江南区・旧木津小学校酒百宏一Niigata 水の記憶プロジェクト」。
むむむっ、ここって旧横越村? なんだか、来たことがある気がする…。サポ友さんのお家の周辺と雰囲気が似ている。梨畑がいっぱーい。小阿賀野川も近ーい(゚∀゚)
 
木津小はずっと以前に廃校になり、体育館だけが残されて資料館として使われていたのだけど、今回、ここを酒百さんが見そめてアート会場となった。
 
Kitu2酒百さんの作品は、その土地にあるものを“フロタージュ”という技法(対象物に紙を置いて、鉛筆やクレヨンで塗り塗りしてくと、紙にその形が浮かび上がるでしょ? いわゆる“こすり絵”ですな)でこすり取って保存していくもの。大地の芸術祭にも参加されてて、私も木の葉をゴシゴシとこすって作品を作ってきましたぞ。
この作品のためにこすられた紙は5000枚。酒百さんだけでなく、地域の方々がそれぞれに様々なモノをこすり取り、それを作家がある意図をもって並べたのが「水の記憶」。
これはかなり濃いぃ空間だった。
 
この隣にある保育園では、地域で使われていた古い木舟や漁具、農具などをプランターとして利用し、キレイに花を咲かせて木津小までの道を飾っていた。
 
 
てなわけで、夕まぐれ、全行程が終了。パスポートに押したスタンプの数は、24。
バスは一路、南口へ向かうわけだ。
当初の予定通りの17:50ピタリに着いたのはワロタ。心地良い心身の疲れと共にバスを降り、買い物して帰宅して、夕飯作って…と日常生活が展開する。
でも、1日、たっぷり全身、アートと「新潟」にまみれて、いつもとは違う自分がいる。
 
前篇でも書いたけど、バスツアーはほんとにお勧め。特に、平日はね!

9月はシルバーウィークも全日ツアーが開催されるので、のんびりバスに揺られてみてはいかが? 事務局のほうも目下模索中らしいので、これから12月下旬まで、マイナーチェンジされていく可能性もある。要チェック。

さぁて、次はいつ、バスツアーに飛び入り参加しようかな( ̄ー+ ̄)
 
レポ

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コメント

バスツアーレポありがとうございます。

8月からチマチマと回ってますが、いまだにスタンプは半分くらいです。(さきは長い.....)

バスツアーだけで全制覇は可能ですか?

投稿: 633 | 2009年9月 6日 (日曜日) 08時48分

>633さん

自力で回ってらっしゃるんですね。会期が長いから、ゆっくり焦らず回ることが可能ですもんね。
バスツアーだけでコンプリートはムリですが、効率はとにかくいいです。
次は右回りツアー! 実は一番楽しみにしてるのは中央市場での昼食だったりして^_^;

投稿: アイアン | 2009年9月 6日 (日曜日) 12時06分

今日は西区・西蒲区を回ってきましたが、上堰潟公園で「わらアートまつり」をやってたせいで近くの道路が大渋滞。めげてパスしちゃいました.....

投稿: 633 | 2009年9月 6日 (日曜日) 18時18分

>633さん
 
私は今日、妻有の芸術祭に行ってきました。
土日だとイベントなどもいろいろやってるけど、クルマを停める場所や混んだりするのが大変ですよねぇ。
でも、平日だと、イベント系作品が「やってない」という悲しい事態も…└|∵|┐
スタンプラリーも楽じゃないですね。

投稿: アイアン | 2009年9月 7日 (月曜日) 22時02分

日曜日にこのあたりのみずっちを巡って来ましたが、神社のわらの場所で(その後川の立体交差でも)ツアーバスと遭遇しました。バス1台ぎっしり!という人数が降りてきて賑わってました~。
あの場所に行くのに結構苦労したので、ダンナと「ツアーバス乗りたいね~」「赤ちゃん連れじゃなければね~」と話してましたよ。

我が家はパスポート買ってないので台紙はないんですが、アートマップにハンコ押してスタンプラリー気分でやってます(笑)

投稿: たえちん | 2009年9月 9日 (水曜日) 00時12分

>たえちんさん
 
万代橋の近くの「竹ハウス」は行った? あそこで寝転がると気持ちいいのよね~。
距離的難易度は高いけど、妻有のほうはみずっちより更にスケール感があって楽しくて遊べるものもあるので、また3年後、ご家族でチャレンジしてみてね。

投稿: アイアン | 2009年9月 9日 (水曜日) 10時14分

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