家! 家! 家!~大地の芸術祭4
「脱皮する家」の隣には「コロッケハウス」がある。
これは、家の内外全てにシルバーの金属粉が吹き付けてあるのね。
彫刻刀で削られて脱皮する家に反して、コロッケみたいにコロモに覆われてるから、「コロッケハウス」…(ノ∀`) ダミダコリャ
土日など、運がいいとホントに地元のお母さんがた提供のコロッケが振る舞われたとか。
こういうの聞くと、平日アート巡りはいろいろ残念かなと思うけど、それでも駐車スペースに困ることなく回れるのは魅力。
そのまた隣には蔵を改造したグッズ売り場があって、ここの2階では日大の学生さん作成のビデオアートが見れる。
松代の風景が幻想的でキレイだった。
左から、松代蓬平の「いけばなの家」。家一軒を使って何人ものアーティストによる“いけばな的なモノ”がたっぷりと展開されている。
その隣が松代蓬平の古巻和芳「繭の家」。真っ暗な中に繭を使ったほのかな灯りと3つの箱が…。暖かくてミステリアスな空間だった。
松之山坂下の東京都市大学手塚研究室+彦坂尚嘉「黎の家」は古民家を再生してすみずみまで真っ黒けに塗ってある。んでもって、中はイタリア料理レストラン「レオーニ」になっている。んでもって食堂の奥には無数の料理道具を吊した空間が…。食事、美味しそうだったなぁ。
右端は松之山下鰕池の塩田千春「家の記憶」。家の中を蜘蛛の巣のように黒い毛糸を張り巡らせた作品。暗がりに溶け込んでいくような記憶の数々。ちょい恐い。
恐い、といえば、廃屋を使って“記憶を蘇らす系”作品はだいたい、ほんのちょっとの恐さを含んでる気がする。
上の写真、左2枚は十日町池沢の石塚沙也香「うかのめ」。糸につけられた無数の米粒が天井から降り注いでいる。これは“せっかく作った米を食べずに作品にしてる”ってことで賛否両論あったらしいけど、いやぁ、それなら結婚式のライスシャワーも問題だよな~、中里で見た「かき氷マウンテン」も完全アウトだよな~。
右の2枚は松之山の町中にある岡孝博「妻有岡印刷所‐印刷所の鼓動」。誰もいない印刷所の中には紙やインクや印刷物がうずたかく積まれ、印刷機だけがガシャガシャと音をたてて動いている。(((((((( ;゚Д゚)))))))うわあぁぁ。
廃屋使用の中でも底抜けに楽しいのが、中里干溝の法政大学稲垣研究室「干溝博物館プロジェクト」。干溝(ひみぞ)という集落の人々の子供時代を博物館にするというポップで楽しい試み。これだけじゃなく、集落のあちこちに“秘密基地”をしつらえてある。神社に立てられたカラフルなバナー(のぼり)は1本が1つの家の人員構成を表す。例えば、5人家族と10匹の動物たち=15命、みたいにね。
重厚な鉄を使った作品なのに、フワフワとシャボン玉のように蔵の中から外へと飛び出していくのは、中里西田尻の青木野枝「空の粒子」。せとぐちさんという一軒宿の蔵が使われている。
右から2番目は、十日町江道の久保美沙登「Cross Cloth Heath」。これも古い蔵が使われていて、キモノ生地で作られたふわふわなモノたちが空間に浮かんでいる。中には、クマさんもいるんだよ。
右端は十日町新水の開発好明「千色屋」。一軒の家の内と外が千色で塗られているんだって。数えなかったけど(笑) 中では染色のワークショップもあり。この新水という集落の家々にあるカマボコ型納屋がまた傑作。どれもみんな、アートなんだ(^_^;) 必見です。
左のは松代犬伏の中村敬「伊沢和紙を育てる」。和紙の美しさを光と形でたっぷり見せてくれる。中の程良い暗さが心地良かった。
暗さといえば、川西上野の笹川かおり「囲 kakoi 」。ここは入り口に、“中は真っ暗なので目が慣れてから進んで”とあるくらい真っ暗な中に、時折ふぅ~っと灯りがともる障子戸の囲いがあり切り絵があり…不気味さと暖かさに包まれる。
右端は、十日町土市のジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー「ストーム・ルーム」。これは昔、医院だった家。診察室だった2階の部屋に入ると、そこは嵐に襲われた薄暗い一室。外はどピーカンの夏の炎天下だったはずなのに、ザーザーとものすごい勢いで窓ガラスを叩く雨、雷鳴、床に置かれたバケツにはボタボタと雨漏りの水が、やがて小降りになり少し明るくなる。奥で誰かがゴホゴホと咳をしている…。ああーー、どうして昔のお医者ってこんなに怖い雰囲気なんだろ! …っていうのは、窓の外にさらに仕掛けられた装置によるもの。
もともとは、音と照明によるインスタレーションだったものに、リアルな雨まで追加した面白ブキミな作品となった。
などなど、廃屋を利用した作品は濃いぃものが多くて楽しい。
ただ、中をパシャパシャと写メしていいのかどうか、いつも迷っちゃうな。
たまに、「撮影禁止」表示は出ているんだけど、それ以外でもちょっと躊躇する。
他にもまだ興味深い廃屋プロジェクトはあるので、秋の部で訪れてみます。
レポ・1、2、3、5、6、7、8、9
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