金沢で乗りました、見ました、食べました
十代、二十代の頃は幾度となく訪れていた金沢。兼六園もひがし茶屋街も忍者寺ももうええっちゅうくらい行きました。でも結婚してから行ったのは2004年のガンバ戦の時だけだなぁ。そんな金沢を正月三が日明け、一人気ままに歩いて、バス乗って温泉銭湯入ってアート見て居酒屋で飲んでまいりました。
雨や雪の時威力を発揮する金沢駅の大きなドーム。バスの発着も濡れることなく楽々。とてもステキな駅だけど、改札は駅員さんによる人力ってとこがラブリー。
さすが観光地だけあって、バス乗り場に案内の人がいて最寄り停留所を即座に答えてくれる。更にビックリしたことに、そのやり取りを運転手さんが聞いていたらしく、目当ての停留所で降りる時、「○○に行くにはあの交差点を渡って直進ですよ」って教えてくれたのさ! 行き届いてるっ。
金沢では北鉄バスやレトロな観光周遊バスに乗ったけど、頼もしかったのが金沢ふらっとバス。これは新潟でいえば区バスのようなもので、非常にニッチな路線構成なんですね。細い小路をくねくね進む、どちらかといえば観光客向けではなく地元の方々の足がわりという感じ。今回の旅は温泉銭湯目当てだったけど、銭湯のある町はとりわけ家混みで道も複雑なところが多い。でも道に迷うことなく行き着けたのはふらっとバスのおかげ。
4つの路線は色分けされ、緑の材木ルートのバスは緑系の和風イラストが車体に散らばった可愛らしい外観。ふらっとというくらいだから低床でバリアフリー。なによりバリアがフリーなのは料金100円ってとこかな(笑) 車内では時折、路線界隈情報や停留所名解説などのアナウンスが入るんだけど、これが小学生の声なんですねー。こういうのはお年寄りにはウケるんじゃないかな。
私は名所旧跡などをピンポイントで見るより、こういう生活感たっぷりな場所をそぞろ歩くほうが楽しいたちなので、ふらっとバスにいろいろ乗れて楽しかったな。
さて、このような金沢の街歩きで、以前も激笑いした看板、「兼六園までほふく前進で5分」というコピー。これ、苗加不動産という会社のなんですね。苗加がちゃんと読めた人は卒論免除だそうです!(笑)
他にも「美大生は歓迎。美人大学生も大歓迎(笑)」とか、クスッと笑えるコピー看板が住宅街のあちこちに潜んで(?)いるのでございます。これから金沢に行く人は探してみてね。
1日目は温泉銭湯に入りまくったので、2日目は金沢21世紀美術館にたっぷり。
あちこちにアート作品が散らばる庭は雪でドロドロぐっちゃぐちゃ。普通の靴で来て立ち往生してる観光客もいました。ガイドブックに“冬の金沢は防水ブーツで”とちゃんと書いておくべきだな。
丸いガラス張りの建物の中に幾つもの四角い部屋があって、そこには特に順路を案内するものはなくて、自分の感覚と好奇心を頼りにアートを分け入っていく感じ。なんともステキです。お目当ては「押忍!手芸部と豊嶋秀樹『自画大絶賛(仮)』」。アタマの中で「A~ha!」が連発のエネルギッシュな鑑賞体験。これはもう1回行ければ行きたいくらい! 部員になりたいよぅ。
ピーター・マクドナルド「訪問者」展の「ディスコ」も必見ですな。あの空間にいるだけでビリビリきちゃった。
館内のキッズスタジオという、靴を脱いで入るスペースがあったので入ってみたら、金沢市内の中学の美術部員たちのワークショップでの作品が展示されていて、その楽しさ自由さユニークさには驚くばかり。「魔法のひきだし」と題されたその空間。文字通り、引き出しひとつひとつ端から開けてって隅から隅まで味わって楽しんできました。常設展示のほうも見て、ちゃんとお約束のレアンドロのプールも体験して、そろそろ全部見たかな、と思ったら、まだあった。「輝け!未来の巨匠たち」という観覧料金のいらない市民ギャラリーが。金沢の小中学校の合同展で、まぁトコロ狭しと作品が展示されていてそれだけでボリュームにクラクラするのに、なんかすごいレベル高いんだよ! 取り憑かれたようにもの凄い数の作品を見てたらめちゃくちゃ疲れたので、美術館内のカフェレストラン「Fusion21」でランチブュッフェ食べて来ました。和風っぽいフレンチ? いやぁ、あっさり味わい深くて美味かった。
栄養補給してからまた子供たちのパワフルなアートと対峙♪ 楽しい疲労感に包まれて、最後は美術書の図書室の椅子でグッタリと撃沈。
こんな美術館が街にあったら楽しいだろうな。ココロから金沢が羨ましく思えたアート体験でした。
一人気ままな旅の楽しみは、独り飲み。
ビュービューと氷のような風が吹く香林坊で飲んで来ましたよ。
「孫助」という店は居酒屋というか小料理屋。カウンターにはどこぞの大女将@絵画が趣味と中女将が2人で飲んでらして、その隣には金沢経済界の偉い人@写生が趣味が部下と…という、なんぞこのアバンティのようなシチュエーション! 面白すぎるっ。で、店のご主人は気さくで女将さんは優しくて、若旦那は素さま似なのであった。鱈の白子酢が激うまかったわ。ブリ大根もアラをどんどこ追加してくれて、食べ切れないから隣の偉い方々にも食べてもらって、和やかなひとときを過ごせたのでした。
熱燗をしたたかに飲んで、いい気分で大通りに出たんだけど、あまりにも風が冷たくて息をするのも辛いわ~もう歩けない、と思ったところに目に飛び込んできた赤い提灯! 迷わず「赤玉本店」というおでん屋さんに飛び込みました。長ーいカウンター席が続く店内。とりあえず熱燗つけてもらう。突き出しとかはないらしい。おでんは1本100円くらいからあってあれこれ食べた気がするんだけど、なんか会計は800円くらいだったような気がする。安っ。
というような金沢旅行。リーグ戦が始まったらなかなか行けないけれど、隙あらばまた行こうと思います。なんたってまだ金石温泉に入ってないからなー。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント