大地の芸術祭2012に行きました・その6・松之山
松之山でのお楽しみはなんといっても上蝦池集落の大成哲雄+竹内美紀子「上蝦池名画館」。古今の名画を彷彿とさせる画面に村の人たちが登場してます。
ムンクの「叫び」になりきって叫ぶお父さん、熱演すぎます。撮影は全て集落内で行われているので、撮影ポイントを巡ることもできます。
前回の芸術祭でバカ受けだったわけで、今回は新作も登場。
なんと、ジャクソン・ポロックもあるんですよ! てか、どうやって!? 何をどんなふうに!? それは見てのお楽しみでしたねぇ。
名画館の1階は地物野菜などと一緒に上蝦池名画の絵はがきが売られてました。これは買わない手はないでしょう。
聖母子像に扮した若い美人のお母さんや、モナリザさんや、「牛乳を注ぐ女」のお母さんが近くを歩いていないかな?とワクワクする上蝦池でした。ちなみに集落の裏山はサントビクトワール山だそうですw
上蝦池で笑った後はすぐ近くの下蝦池へ。塩田千春「家の記憶」です。2階から覗いてみると、黒い糸に編み込まれた過去の品々だけでなく、私たちギャラリーもまた記憶の糸の中に絡め取られているみたいな感覚に陥ります。
これまたお馴染みの旧東川小学校、クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン「最後の教室」。相変わらず真っ暗です。キナーレで展示されてる「No Man's Land」もそうだけど、“人間の不在”を描いていながらも、強く気配に包まれる感覚って何だろう? 心臓の鼓動音のなせるワザなんでしょうか。
岩間賢「坪野フィールドパーク」は古民家を拠点として坪野集落全体に展開されてるアートプロジェクト。
集落内にはアート作品はもちろん、おしゃれベンチがあったり、鉄の釜風呂があったり、野外ステージがあったり…楽しいことになってました。
鏡が池という伝説の池から少し登った場所に小さな神社がありまして、境内には礒崎万里子「Flowers - We are here!」がありました。綺麗。
09年の芸術祭で、古民家にオーストラリアの作家たちが住んで、地元の人々を巻き込んで作品を作り出していた「オーストラリア・ハウス」は、去年3月11日の長野県北部地震で全壊してしまったそうです。アンドリュー・バーンズ・アーキテクトによる新たな「オーストラリア・ハウス」は安く・小さく・頑丈をコンセプトに美しくてシンボリックな三角形の家になってました。中にはブルック・アンドリュー「ディラン・ラング-山の家」。鏡とネオンで集落の人々の言葉が表されてます。シンプルなようでいて意外性のある建物でした。2階もあがってみたかったなぁ。
松之山の老舗(?)アートスポット、マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」には、これまで宿泊した人々がそこでみた夢を書き綴ったものを書籍化した「夢の本」がありました。棺桶…じゃなくて夢を見るためのベッド、若い男性が入ってみてましたが、背がつかえて大変そうでした。
その隣のローレン・バーコヴィッツ「収穫の家」/ジャネット・ローレンス「エリクシール不老不死の薬」で自然の色の美しさを堪能。
「湯山の家」での前山忠 堀川紀夫「雪アート・ギャラリー」は今回から常設で雪をテーマにしたギャラリーになるそうです。
左から2番目の写真、新潟人ならやったことあるはず。前山さんの、風景を切り取る木の枠は冬になったらすっぽり雪に埋もれてしまうんでしょうね。
廃校になった小学校をユースホステル風宿泊施設として蘇らせた「三省ハウス」。地域の人々と作った陶器に名前が刻まれたリンダ・コヴィット「名前蔵」や、ラトビアの家具職人さんの家具と、それを使う地域のご家庭の写真からなるアイガルス・ビクシェ「ラトビアから遠い日本へ」、暖かで優しい色合いの竹田直樹「里山復興事業」などの他、新作の木村崇人「おてんとさま+あしあと」がありました。太陽光で反応して青くなるという不思議な布の上に子供たちが寝転がってシルエットを浮き上がらせたり、絵の具を車輪に塗った自転車でレーンを走り回って青く染めたり、楽しい作品。楽しいといえば館内には子供たちが作った色とりどりのゲロンパがたくさんいました。←実物はこれね。
松之山のアートセンターといえば森の学校キョロロ。今回は「キョロロの森のなかまたち」というタイトルで虫や植物をテーマにした5人のアーティストの作品が見られました。
松之山には「黎の家」でカレーを食べること自体がアート作品という注目のリクリット・ティーラヴァニット「カレー ノー カレー」があって楽しみだったのですが、ものすごい行列だったので、諦めて、キョロロ併設の「さとやまキッチン」で夏野菜カレーを食べてきました。さまざまな野菜が入って、それぞれ違う歯触りが愉快な、夏の妻有っぽいカレーでした。
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