みずつち2012を巡ってます・その4(追記)
今回の水と土の芸術祭のメイン会場は、魚市場などがあった万代島水揚場です。取り壊しを待つだけとなった4つの建物を使ってのアート展開。かつて、魚介の水揚げや水産加工、せりが行われ、漁業者たちの生活機関があった場所の面影を最大限残しつつ、作家さんたちがクールな空間を作り出してます。
水揚場に着くと会場手前にある、これ。
№2 冨井大裕「王様と私達」
ガイドツアーの時、「これはタイトルを聞くとたいていの人がクスッと笑うんですよ」、と小川プロデューサーがおっしゃってましたが、もしかしてアルビサポの多くは違う感想を抱くんじゃないかな。
普通サイズよりはるかに大きなテトラポッドが浮いている(写真がヘタで巨大に映ってないや…)。それはたくさんのテトラポッドたちがチカラを結集して下支えしてるから。
ね、サポの琴線に触れる作品でしょ。
テトラポッドは新潟市内の海岸のシンボルです。私たちなんですよ。
水揚場自体はいわゆる“廃墟群”ですが、その周囲は造船所やぴあBANDAIや新たな水産会館がある生きた港湾地帯です。その対比がなんともいえないです。
みずつちカフェで買ったビールを飲みながら、そのヒリヒリ感に浸ります。
その形状から「大かまぼこ」と呼ばれる建物には3つの作品があります。
№4 大友良英×飴屋法水たち「Smile」(写真左)は廃屋を中心とした大がかりなインスタレーションです。朽ちていく家や、突如鳴り出す壊れたピアノ、うち捨てられたものたちで形づくられる世界だからそこにノスタルジックなものや悲劇を見いだす人も多いのでしょうけど、私はむしろその先にある“今”や“未来”に想いを馳せたいなと考えるのでした。
№5 原口典之「新潟.景12」(写真右) コンクリにひたすら降りしきる雨が、原口さんの新潟市に対するイメージでしょうか。作品の中を歩けるように長靴と傘が用意されてます。有名なオイルプールも2つ展示されています。
№6 吉原悠博「シビタ」は、今回のみずつちの中でも最も大好きな作品です。信濃川を河口から源流へと遡っていく映像作品です。音と映像に陶然とします。何回見たかなぁ。まだまだ見に行くと思います。水揚場の中央にある旧水産会館の2階には幾つもの作品が展示されています。
№16 KiKiKo「汽水域」は、会館に残された3色の釣り糸を使った美しい作品です。ここも何度も訪れたい空間です。
№8 西野達「知っているのはオレだけ」は面白かったですねー。西野作品は「知らないのはお前だけ」が小須戸にありますが、ニヤニヤしちゃいます。映像作品のクレジット内、「special thanks to Porco」に爆笑です。
水産会館には他にもたくさんの作品があって、それぞれに濃度が高いので、何度も訪れてしまいます。
小かまぼこと呼ばれる建物は無料で見られるスペースです。
№18 梶井照陰「海風の村」は佐渡・鷲崎の写真展です。厳しい冬、伝承される風習。息切れするほど暑かった夏、心地よい秋風の頃、初冬を感じさせる今と、季節ごとに写真から受ける感動は変わっていきます。これこそが、みずつちの醍醐味かもしれません。
水揚場の一番手前にある怪しい建物、これは楽しいですよ!
№3 wah document「おもしろ半分制作所」はなんつーか、少年の夢を詰め込み、真剣に面白がって作られた“アジト”です。ここは実際に入ってみなきゃわからない!
中は細い迷路のようになっているので動きやすく引っかかりにくい格好で行ってみてください。ドア的なものがあったらどんなに変でも迷わず開いてみてください。
わたし的にもっともお気に入りの場所は、もちろんここです↓
「半分温泉」です! オリジナル手ぬぐいも売ってます。富士山の絵と露天風呂もあります。入りたいっ!さて、美術館といえば、スーベニアショップ。
水揚場には「blue & brown」というショップがあります。
←これ、買っちゃったー。実際にテトラポッドを作る会社の商品です。
写真上左から、№10タノタイガ「水先櫓(仮)」、№13宇梶静江さんによる窓ガラスイラスト、魚獲り網を使った水揚場休憩処、ロープアートで自転車置き場
写真中段、№21日比野克彦「動きたい水灯台、動かない土灯台」、№18梶井照陰「海風の村」
写真下段、№19日比野克彦「明後日朝顔」、№6吉原悠博「シビタ」、№4大友良英×飴屋法水たち「Smile」の廃棄された家電製品と影、№15カミン・ラーチャイプラサート「31世紀こころの美術館in新潟」
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